『New World』へ:Amazon Gamesの『New World』で、細部にまでこだわる

Published: 2023年2月9日

『New World』へ:Amazon Gamesの『New World』で、細部にまでこだわる

『New World』は、Amazon Gamesが開発し、2021年9月にリリースされた大規模多人数オンライン・ロールプレイングゲーム(MMORPG)です。ローンチ日には100万人以上のプレイヤーが『New World』に入りました。ゲームに新ゾーンや敵、武器などの面白いコンテンツが追加されるたびに、新たな冒険者が続々と押し寄せています。  

Aeternumという魔法の島がこのゲームの舞台です。プレイヤーは厳しい環境の中で生き残り、新しい文明を築かなければなりません。『New World』では、プレイヤーは他のプレイヤーと協力し、敵対する生物や他のプレイヤーから要塞を守ることになります。さあ、生き残りをかけた血みどろの闘いに向かいましょう! 

Sideは、このような優れたプロジェクトにアートプロダクションを提供できたことを光栄に思っています。  

このプロジェクトの興味深い要素として、ゲームエンジン「Amazon Lumberyard」のアセットを視覚的に評価し、微調整できたことがあります。  

このプロジェクトでは、エンジンで理想的な結果を得るために、個別にモデルの改良を行う必要がありました。幸運なことに、Amazon Lumberyardを使い、じっくりと作業することができました。このエンジンは非常に高品質な画像を生成しますが、理想とするような外観を実現するためには、SpecularとGlossinessの値を正確に調整する必要があります。こうして、非常に優れた成果を挙げることができました。 

私たちアーティストにとって、このスタジオのコンセプトアートに携われたことは何よりの喜びであり、非常に質の高い仕事に携わることができたと思っています。キャラクターや武器のデザインからはインスピレーションを受けました。また、3Dアーティストがレンダリングしやすいように、あらゆる角度からのパース、無駄な影や色の変化がないクリアな図面、アセットのさまざまな部分に素材の特性が示された詳細でわかりやすい参考写真など、2Dアートも用意されました。そうした微妙な差違のおかげで、仕事が大いにはかどりました。  

見どころの一つは、キャラクターのアーマーにふんだんに施されているさまざまな模様や装飾です。こうしたエフェクトを作り出す方法は色々とありますが、私たちにとって最も便利な方法を選びました。  

従来の方法としては、パターンの作業には、精細なモデルの段階で作成する方法と、テクスチャの段階で作成する方法の2つがあります。  

ただ、どちらの方法にも長所と短所があります。例えば、ハイポリの段階でパターンを作ることで、モデルの奥行きを利用し、パターンの溝や出っ張りを使って、より面白い、変化に富んだ形状を実現できます。この方法を選択すると、ベイクされたテクスチャにすぐにパターンが表示されるため、SPジェネレータでの作業がスムーズに行えるようになるのです。

しかし、ハイポリの段階でこれらのパターンを変更・調整すると、コントロールと可変性が失われます。テクスチャの段階でパターンを追加することで、デザインの拡大縮小や調整を素早く行えるようになりました。このオプションには特有の問題があります。ほとんどの場合、必要な場所で垂直方向と水平方向の位置合わせを行い、UVを追加で準備しなければなりません。ですが、パターン全体を手動で作成する代わりに、パターンのタイルマスクを使用できるようになります。

  単純なタイルパターンをテクスチャの段階で全部作り、形状やパターン画など細かい作業が必要なものはスカルプト上で直接行うという方法を、可能な限り組み合わせました。

今回のプロジェクトで特に大変だったのは、重構造の裾と、随所に盛り込まれた細かいディテールでした。ファスナーやロープ、包帯など、細かいデザイン要素が、その後のスキニングやアニメーションの作業の複雑さを大きく左右するため、早い段階でその差異を察知しておく必要があったからです。 

ハイポリ(HP)の段階では、ローポリ(LP)モデルのポリゴン数の厳しい制限とトポロジーの最大限の単純化を考慮して、ベイクマップと正しく連携するためにアセットの必要な要素を即座にマッチングして調整する必要があります。ここでの課題は、技術的仕様を考慮した上で、いかに興味深いシルエットを維持するかということです。作業の一部の段階では、モデルのビジュアル品質を評価するために、テクスチャベイクでクイックテストLPを作成することが非常に役に立ちました。このようなクイックテストは15分程度で完了し、早い段階で作業をHPで修正できます。 

一番大変だったのは、メトリクスを使った作業でした。メトリクスとは、足、腕、胴体、頭といったアーマーのさまざまな要素がどこにどのようにフィットするか、また武器の可動部が手とどのように相互作用するかを表すメッシュの制約の体系です。つまり、自作アセットとゲーム内に登場するアセットとで、さまざまなアーマーを組み合わせる際、穴や交差を防ぐために必要なものです。このシステムで作業する際に発生したさまざまな問題を、Amazonの監修アーティストと一緒に解決していきました。この要件では、アセットモデルを必要に応じて調整できず、メトリクスのためにデザインやプロポーションを変更しなければならないことがよくありました。これらは必ずしも明確に決められたものではなく、多くのアーティストはコンセプトをできるだけ忠実に守ることに慣れていたため、普段とは違う考え方をする必要があったのです。その結果、膨大な数のアセットができあがり、ゲーマーがどのように組み合わせても、明確にフィットすることが確認できました。 

『New World』では、キャラクターのヘアスタイル作成も非常に楽しい作業でした。XGen、Ornatrix、FiberMeshなど、さまざまなツールを使用しました。 

ヘアスタイルを作る際の最大の目標は、少ないリソースで最高の仕上がりを実現することです。複雑なヘアスタイルの場合、数千枚のポリゴンプレートが必要になることもありますが、品質を落とすことなく量を最適化することを優先しています。そのためには、テクスチャアトラスをうまく作るしかありません。例えば、ロングの巻き毛を作るには、直毛ロックのスパイラルプレートだけでなく、巻き毛をベイクしたフラットプレーンも使用します。これによって髪の毛のポリゴン数を減らすことができ、プレートの配置を工夫することで、よりふんわりとした、変化に富んだフォルムを作ることができるのです。また、髪のボリュームや奥行きを出すために、ネガティブスペースを使うことも重要です。 

                                                『New World』 – Sideが手がけたヘアスタイルの例 

これまでに2Dと3Dで188のアセットを、12,096時間かけて制作しました。現在も制作が続いています。この仕事のやりがいのある部分として、Amazon Gamesの素晴らしいチームと一緒に仕事ができることが挙げられます。高品質で精細なゲームアセットを制作する際に発生する課題に一緒に取り組み、制作物をゲームのビジョンと技術的要件の両方に適合するように作り上げる。まさに夢のような経験です。課題に一つ一つ取り組むことで、私たちのスキルが向上し、Sideはますます魅力的な場所になっていっています。 

 

Sideは、世界中で遊ばれている最新ゲームに登場するリアルなアート(とその他の色々)を制作しています。お問い合わせ から、あなたの物語を世界に届けるお手伝いをさせてください。 

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