十分に練った戦略もなく、ローカライズプロジェクトに着手するのは無謀かつ危険です。質の悪いローカライズはプレイヤーからの反感を買うだけでなく、組織の評価にすら傷をつけるからです。するとプレイヤーは次から貴社のゲームを購入しなくなります。つまり、低品質なローカライズは将来的な収益を失い、場合によって拭い去れない悪評が立つ原因となるのです。
それゆえに、ローカライズ戦略は重要なのです。正しい戦略があれば、目標とその達成はより容易くなります。ここからは、ビデオゲームのローカライズ戦略を練るための5つのステップをご紹介していきます。
ステップ1:そもそもローカライズとはあなたにとってローカライズとは何でしょうか。
まずは簡単そうに見えて実は難解な質問から始めましょう。「ローカライズとは何か?」
簡単にいえば、ビデオゲームのローカライズとは、ゲーム内のコンテンツをある言語から別の言語に変換することです。
ですが、実際は人によって捉え方が異なります。ある人はゲームのテキストをある言語から別の言語へ翻訳することと捉え、またある人は文章作成、ボイス収録、ビジュアルの変更等を含むプロセスと捉え、開発チームやパブリッシャーは大抵のローカライズは以下の複数のステップを含むプロセスと捉えます。
- ファミリアライゼーション:ゲームの文体や語調、文化的な要素等をすべて理解し、それを用語集やスタイルガイドに記録するプロセスです。
- トランスレーション/カルチャライゼーション:ゲームのアセット(テキスト、オーディオ等)を、ある言語や文化から別の言語や文化に変換するプロセスです。
- リビジョン:文体の誤りを修正し、訳の正確性、綴りの誤り、誤植を確認し、専門用語が統一されていることを確かめるプロセスです。
- リージョナル・アダプテーション:コンテンツが規制や基準に適合することを確認するプロセスです。例えば中国では、ゲーム内で血を表示することができません。
- 「ローカライズ品質保証(LQA)」はゲーム内で翻訳の品質を確認し、それがいかにゲームに統合されているかを検証するプロセスです。
どれがゲームに最も適しているサービスなのかを明確にしておく必要があります。これらの決定次第でプロジェクトのスピードや品質は変動するからです。
ステップ2: ターゲット地域を定める
ローカライズ戦略はより多くの人々にゲームを届ける、言い換えればより多くの収益を得ようとする際、極めて重要な役割を果たします。仮に英語から簡体字中国語へのローカライズを行ったとしましょう。するとプレイヤー数6億1950万の市場を開拓できます。
そんな絶好の機会が得られる地域はどこなのかを把握しておけば、ターゲット言語は定めやすくなります。例えば、簡体字中国語は比較的安価であり、巨大な市場を開拓できる可能性があります。(実は アジア市場に進出する方法についてもこちらで網羅しています)。また、フランス語はさらにプレイヤー数2910万の市場を開拓できます。フランス語はフランスだけでなく、カナダや他の旧フランス植民地でも話されているからです。
しかし、完璧な市場を見つけることは、ただプレイヤーの多い地域を選べばいいというほど単純なものではありません。他の事も考慮する必要があります。特定地域でリリースされた類似のゲームから得られた既存のデータを参照すれば、どのジャンル、どの形式が特定の国で人気を得られるかが見えてきます。以下は規模以外の注目すべき市場の要素です:
- 検討中の各地域における当該ジャンルの他作品の成功率
- 英語レベルの高い国か、低い国か
- コンテンツに多く制限を設けている国か
ステップ3: 誰がローカライズするか決める
外注する場合、事前に何が起こるのか知っておくことが重要です。プロジェクトの進み方は協力する相手がフリーランスか社内チームかによって大きく変わってきます。
一般的にフリーランスは価格が安い傾向にありますが、例えば翻訳の品質を確認するローカライズQAは行わない等、十分なサービスは提供されません。
また、大手プロバイダ(例えばSideのゲームローカライズサービスのような)であれば、単一の窓口で幅広い翻訳・ローカライズ品質保証チームと連携し、あらゆる言語に対応することが可能です。これにより、プロジェクト管理の負担は劇的に軽減されます。複数の独立したフリーランスと協力する場合、こうはいきません。
ステップ4:早めに着手する
ローカライズについては、ゲームの開発サイクルのなるべく早い段階で検討した方が良いでしょう。例えば、開発に着手する前の時点でターゲット言語がわかっている場合、開発チームは名詞の性、特殊文字、ノーブレークスペース等の言語特有の変化を計算に入れることができるため、その後起こり得る問題を未然に防ぐことができます。
ステップ5: 成功理由を解明する
ゲームローカライズの成功は2つのものさし、つまりユーザーからのフィードバックと投資利益率ではかることができます。ユーザーからのフィードバックの例としては、レビューが挙げられます。これは翻訳されたゲームに対するプレイヤーの反応を知るうえで役に立ちます。例えば、ゲームがターゲット言語の国であまり良い評価を得られなかった場合、そのローカライズの品質は改めて確認する必要があるでしょう。
これと同様に、特定地域における財務的な成功(売上高や投資収益率によって示されるもの)は、ローカライズの価値を示す重要な指標となります。
ローカライズの結果を理解すれば、それが価値ある投資だったかを知ることができ、今後プロジェクトを行う際の指針となります。
戦略立案は最初のステップに過ぎません。
以上5つのステップを踏まえることにより、ローカライズの成功につながる強固な戦略を立てることが可能です。
ですが、これは氷山の一角に過ぎません。本当の仕事は、計画から実行へと移ってから始まります。 成功は、適切なパートナーを見つけ、各市場に特化した人材を確保し、言語やタイムゾーンを超えて動くすべての要素を調整できるかどうかにかかっています。 ローカライズは非常に複雑になることがあるため、場合によってはアウトソーシングしたほうがシンプルな場合もあります。
ゲームのローカライズについてご質問がありましたら、ぜひこちらからご連絡ください。