クリスティーナ・ドレイクは、クリエイティブ業界における人と人とのつながりを軸にキャリアを築いてきました。音楽、ファッション、ゲームといった分野で経験を重ねた後、現在はSideのグローバル人材採用責任者として、グローバル事業全体の採用戦略の策定を担っています。
また、クリスティーナは単なる採用責任者にとどまりません。著名な業界イベントで定期的に講演を行っているほか、「Moms in Gaming」の創設者にして、WIGI諮問委員会のメンバーでもあるなど、ゲーム業界コミュニティにおけるインクルージョン推進の担い手として、重要な役割を果たしています。
今回はクリスティーナにインタビューを行い、ゲーム業界に入った経緯、業界や分野ごとの採用方法の違い、そして外部開発がスタジオのチーム構築と規模拡大において、ますます戦略的な役割を担うようになっている理由について伺いました。

これまでの経歴と、ゲーム業界やのキャリアに惹かれたきっかけを教えてください。
私のキャリアは常に、仕事と創造性、そして自分が心から愛するものが交わる場所にありました。ゲーム業界に入る前は音楽やファッションの仕事をしていたため、情熱、個性、コミュニティ、そしてモノづくりの精神が融合する分野に惹かれてきました。私は「ビジネス」と、その背後にある人々や情熱を切り離して考えることができないタイプの人間です。
私のゲームへの愛は、もっとずっと前から始まっています。母の影響がとても大きいです。シングルマザーの母はゲームセンターで働いていたため、私たちを連れて『Rampage』などのゲームをよく遊ばせてくれました。私たちがSega Genesis(メガドライブ)で最初に遊んだゲームは『モータルコンバット』でした。そののため、私にとってゲームは、子どもの時からとても楽しく、鮮やかで、記憶に残るものとして深く根付いていました。こうした経験もあり、ゲームが持つ共同体験や物語性、競争性、そして人と人をつなげる力を幼い頃から感じ取っていました。まさかそれが仕事になるとは想像もしていませんでしたが。
最終的に私がこの業界に惹かれた一番の理由は、人です。ゲーム開発者は情熱的で専門性が高く、深く仕事に向き合い、そして良い意味で少し変わっています。そこがすごく魅力的です。この業界での採用活動は、プレイヤーが没頭し、夢中になり、コミュニティを築く世界を支える人々を支援する手段を与えてくれました。
ゲーム業界における最初の仕事はどのように決まりましたか? その過程で、あなたのキャリアを形作った決定的な瞬間はありましたか?
正直に言うと、ゲーム業界に入ったのは偶然でした。空き時間に小規模な採用案件をいくつか引き受け、副業として始めたのがきっかけです。副業として始めましたが、やがて規模が広がり、そこで評判を得たことで、世界的に有名なスタジオで初めて正社員として働けるようになりました。気付いたのは、この業界には役割のニュアンスを理解し、人材の才能を適切に伝えて、クリエイティブと技術、そしてビジネス上の優先事項の橋渡しができるような人が必要だということです。
私にとって決定的な転機となったのは、ゲーム業界での採用や人材確保は単なる取引ではないと気付いた時でした。それぞれの役割には独自の言語、期待、プレッシャーがあるため、その背後にある技術を理解する必要があります。そのニュアンスを尊重しなければ、信頼を得ることはできません。
実際に経験して、ゲーム業界の採用活動は他の業界の採用活動と異なりますか?
ゲーム業界での採用活動は、他の業界と比べて全く異なります。多くの業界では、職種の名前を見れば大体何をするべきかわかります。しかしゲーム業界において、職種名は始まりに過ぎません。ジャンル、プラットフォーム、エンジン経験、実績、チーム構成、開発プロセス、ポートフォリオ、そして個々の仕事がゲームの製品版完成までに、どのように貢献するのかを理解する必要があります。
Y最近Sideのグローバル人材採用責任者に就任されましたが、そのことについてもう少し詳しくお聞かせください!
Sideにおける私の新しい役割は、グローバルな採用体制における戦略的パートナーとして貢献することです。採用チームの成功を次のレベルに引き上げるお手伝いをしている、と言うとわかりやすいかもしれません。具体的には、臨機応変に対応できるシステムの構築、可視性の向上、人材パイプラインの強化、地域全体でより一貫性のあるプロセスの作成などです。
私は「グローバルに考え、ローカルに行動する」というアプローチを軸にしています。これは、グローバルな方向性を維持しながらも、それぞれの地域市場、サービスライン、顧客、採用ニーズのニュアンスを尊重することを意味します。Sideは世界中で事業を展開しているため、採用活動も画一的な方法では対応できません。私の役割は、クライアントや候補者にふさわしい配慮と品質を維持しながら、チームがより迅速に業務を進められるよう、組織構造、戦略、そして透明性を構築することです。
私はSideのアンバサダーも務めており、当社のエンプロイヤーブランド、つまり企業としての魅力と業界における存在感を強化するために活動しています。講演活動、地域社会への貢献、思想的リーダーシップ、候補者の体験など、どのような形であれ、ブランドは採用活動において非常に重要な要素だと考えています。人材の獲得は、誰かが求人に応募する瞬間から始まるものではありません。人々が市場で会社をどのように認識するかという点から始まります。
私の役割の本質は、採用機能の価値を守り、さらに強化することです。事業目標、地域ごとの実情、採用担当者のニーズ、候補者の経験、エンプロイヤーブランド、そして長期的な人材戦略、これらすべてを結びつけるのが私の役目です。単なる人員の補充が目標ではありません。私の責任は、思慮深く、俊敏で、グローバルに連携しつつローカルの状況を理解し、事業と深く結びついた人材機能を構築することです。

ゲーム業界において、特にスタジオが外部開発に取り組む方法に関して、長年にわたってどのような変化が見られましたか?
これまでで最も大きな変化は、外部開発がより戦略的な存在になったことです。以前は、主にリソースが不足した際の補完的な役割と見なされることが多くありました。しかし現在では、「最初からどのように最適な内製・外部のエコシステムを構築するか」という視点が主流になっています。
リモートワーク、アウトソーシング、そしてグローバルな協働の進展により、チームの構築方法そのものが変わりました。スタジオ側は、タイムゾーンや地域をまたぐ分散型チームでの開発にも、より柔軟に対応できるようになっています。また、どの部分を社内で担うべきか、あるいはどの領域であれば外部パートナーがスピード感・専門性・柔軟性を持って対応してくれるかを、より意識的に判断するようになっています。
市場環境も慎重さを増しています。長年にわたる人員削減、組織再編、予算削減の圧力を経て、スタジオは人員の規模や固定費、そして品質を犠牲にすることなく柔軟性を維持する方法について、より注意深く検討するようになりました。スタジオが意欲的なゲームを作り続けるためにも、外部開発の重要性はさらに高まっています。それを実現するには、より洗練された開発モデルが必要だからです。
共同開発プロバイダーの採用は、従来のゲームスタジオの採用とどのように異なるのでしょうか?
共同開発スタジオの採用は、単にその人が仕事を完遂してくれるかどうかを評価するだけではない点で異なります。顧客と向き合うことができるか、適応できるか、協調性が高く求められる環境で業務を遂行できるかといった点も評価対象になります。
従来のスタジオでは、従業員は長期にわたって、一つのチーム、一つのプロジェクト、一つの企業文化、一つの制作プロセスに身を置きます。共同開発においては、候補者はしばしば、異なる顧客の期待、異なるコミュニケーションスタイル、異なるエンジン、異なるツール、そして異なる生産状況に対応していく必要があります。
ただし、それは、私たちがゼネラリストだけを求めているという意味ではありません。依然として、専門性は非常に重要です。しかし、最も優秀な共同開発候補者は、柔軟性、優れたコミュニケーション能力、謙虚さ、文書作成の習慣、そして迅速に業務を習得できる能力を備えている傾向にあります。そのような候補者はエゴを捨ててフィードバックを受け入れ、思慮深い質問をし、優先順位が変わっても冷静さを保つことができます。
また、先の読めない状況にもしっかりと対応できる人材も求めています。外部開発において、物事は急速に変化します。その環境で成長していける人は、冷静さを保ち、品質を守り、機敏に仕事を進められる人です。
採用という観点から、外部開発において何か興味深い傾向はありますか。また、今後それらの要素は採用活動にどのような影響を与えるでしょうか?
傾向としては、共同開発とアウトソーシング、そして社内での内製作業を踏まえた、ハイブリッド志向が広がっているように見受けられます。スタジオは一つのモデルに固執しているわけではありません。「どの領域を社内で担うべきか、どこで柔軟なサポートが必要なのか、また、外部パートナーの専門性をどこで活用すべきか?」といったことを常に問い続けています。
例えば、エンジニアリングやデザインは共同開発、アート制作はアウトソーシング、QA/LQA、音声、ローカライズサポートは外部委託といったように、プロジェクトごとに最適な組み合わせを取るケースが増えています。
今後の外部開発は、より組織に組み込まれた形で、戦略的かつグローバルに連携したものになるだろうと私は考えています。それは単にコスト削減だけの問題ではありません。スケーラビリティ、専門性、スピード、そしてレジリエンスに関するものとなるでしょう。
採用活動においては、よりパイプライン主導かつグローバル志向のアプローチが求められます。単に誰が空いているかを知るだけでは十分ではありません。どの地域で、何を専門としていて、どのエンジンの経験があり、どのジャンルを得意としていて、どういった雇用形態を希望しており、クライアントにしっかり対応してくれるのか、といった多面的な情報を把握する必要があります。
応募者から送られてくる情報のみに頼る採用担当者はきっと苦労するでしょう。生きた人材ネットワークを構築する採用担当者や人材チームこそが、長期的に成功を収めるだろうと思います。

この業界に入る前の若い自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言いたいですか?
自分が思っている以上に自分には力があることを伝えてあげたいです。
歴史的に男性が中心的だった業界で働く中で、私はキャリアの初期段階で自分自身を小さく見せてしまっていた。真剣に受け止めてもらうためには、もっと控えめに、静かで、無難に振る舞う必要があると思っていたのです。しかし実際には、自分の本来の個性や強みをしっかり発揮するようになってから成果を上げられるようになりました。
若い頃の自分に言いたいのは、「技術を磨き、質問をし、自分の直感を信じなさい。そして、不安や居心地の悪さを感じても、自分がここに相応しくない証拠だと勘違いすることはやめなさい」ということです。
周りと違っていた点こそが、結果的に私の強みになりました。音楽やファッションのバックグラウンド、コミュニティへの愛、人を見る力、ストーリーテリングの感覚、実務能力、好奇心、そして自分らしさ、これらのすべてが私の価値の一部となったのです。
要約するとすれば、アドバイスはシンプルです。
Quotes
「決して縮こまらないように。その場の状況を把握し、仕事内容を理解し、信頼を築いたうえで、堂々とその場所に立ちなさい」