伝説的シリーズの新章開幕
Sid Meier氏によって生み出され、Firaxis Gamesが開発、2Kが販売を手がける「シヴィライゼーション」シリーズは、1991年の誕生以来、ゲーム業界の歴史を築いてきました。シリーズ累計販売本数は6,000万本を超え、世界中のプレイヤーに親しまれています。
ターン制ストラテジーである本シリーズでは、プレイヤーは石器時代から宇宙時代、そしてその先へと文明を導き、軍事、文化、科学、外交といったさまざまな手段を駆使して世界の覇権を目指します。
2025年2月には、シリーズ7作目となる『シヴィライゼーションVII』が発売されました。その開発においてFiraxisと2Kは、共同開発と音声収録という2つの重要な領域でサポートを必要としていました。目標は、あらゆるプラットフォームで快適なプレイ体験を実現すると同時に、世界中のプレイヤーの心に響くパフォーマンスによってゲームの物語性をさらに高めることでした。

『シヴィライゼーションVII』(画像提供: PlayStationTrophies.org)
共同開発:次世代UIへの移行
長期的なパートナーシップが築いた基盤
Sideの共同開発チームは、『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』において、コンソールとPCの両プラットフォームで最適なパフォーマンスと一貫したユーザー体験を実現できるよう、Firaxisを支援しました。
当社のチームは、前作『シヴィライゼーションVI』においてもFiraxisとの協業実績があり、開発元の独自エンジンに関する豊富な知見を有していました。中にはFiraxisの社内エンジニア以上に長く「シヴィライゼーション」シリーズに携わってきたエンジニアもおり、シリーズ全体におけるUIの開発と最適化で重要な役割を果たしています。
両プロジェクトを通じて、当社はゲームデザインの要件に基づき、重要なゲーム画面の設計、プロトタイプ制作、実装を支援しました。前作の発売前には、当社のチームは不具合修正に集中的に取り組んでいます。この経験は、Firaxisの開発チームとの連携を深め、開発体制へスムーズに溶け込むための重要な機会となりました。その後に配信された複数のDLC開発への参画を通じて、SideとFiraxisの協業体制はさらに強化されました。なかでも、『シヴィライゼーションVI』初のDLCに登場した「世界気候」画面は、プロトタイプ制作から実装、最終調整に至るまで当社が中心的な役割を担いました。

『シヴィライゼーションVI』における「世界気候」画面
『シヴィライゼーションVII』が切り拓く新たな可能性
『シヴィライゼーションVII』では、FiraxisがUIにCoherent Gamefaceテクノロジーを採用したことで、新たな技術的課題への対応が求められました。Gamefaceは、HTML、JavaScript、CSSといった標準的なウェブ技術を基盤としたゲーム向けUIエンジンです。
このフレームワークの導入にあたり、両チームはその特長を最大限に活かせるよう、開発ワークフローを迅速に最適化しました。立ち上げ当初には試行錯誤もありましたが、その成果は十分に価値あるものとなりました。ウェブ開発との高い親和性により、従来の「シヴィライゼーション」シリーズで採用されていた独自UIシステムと比べて、より柔軟な開発環境を実現しました。
『シヴィライゼーションVII』における大きな課題の一つに、これまでのプロジェクトにはなかった、PC向けUIと並行してコンソール向けUIを開発することがあります。当社はプロジェクトの初期段階から数々のUI画面を担当しました。なかでも生産リストや建造物配置を含む「居住地管理」画面は、特に重要な開発領域の一つでした。
「シヴィライゼーションVII」の居住地管理画面
実装およびアニメーションの支援
FiraxisはUIエンジニアリングに加え、入力システムの開発およびテクニカルアニメーションの分野でもサポートを必要としていました。
当社は、コアとなるC++実装からUIとの連携設計まで、入力システムの開発において重要な役割を担いました。入力システムに関する支援は『シヴィライゼーションVI』から続くものでしたが、『シヴィライゼーションVII』ではプロジェクト当初からマルチプラットフォーム対応が目標として掲げられていたこともあり、開発全体を通じてその範囲が大きく拡大しました。また、当社のエンジニアはゲームプレイ開発チームと密接に連携しながら、ゲームシステムの開発を支援しました。不具合の修正に加え、ゲームシステムのデータをUIへ効果的に反映するための仕組みづくりを支援しました。
さらに、当社の共同開発チームは、テクニカルアニメーションの分野でも開発を支援しました。キャラクターやユニットのアニメーションが、すべてのプラットフォームでゲームの複雑な戦略システムと連携しながらスムーズに動作するよう貢献しました。
音声制作:物語に命を吹き込む
開発プロセスの効率化に加え、2KとFiraxisは『シヴィライゼーションVII』の音声をさらに進化させるべく、シリーズ初となる新たな取り組みに挑戦しました。
一方Sideは、本作の英語音声収録における重要な工程を担当し、スタジオ収録からディレクション、ポストプロダクションまでを支援しました。
当社のロンドン本社スタジオでは、著名俳優のGwendoline Christie氏を『シヴィライゼーションVII』のナレーターとして迎え、音声収録およびディレクションを担当しました。これにより、同氏はシリーズ史上初の女性ナレーターとなりました。

『シヴィライゼーションVII』のGwendoline Christie氏(画像提供: GameSpot)
『ゲーム・オブ・スローンズ』のブライエニー・オブ・タース役や、「スター・ウォーズ」シリーズのキャプテン・ファズマ役で知られるChristie氏。その力強く印象的な語りが、プレイヤーを時代を超える旅へと導きます。そのナレーションの一部は、以下の「英語版ナレーター紹介トレーラー」でお聞きいただけます:
https://www.youtube.com/watch?v=Qw6H7r8S_Wk
Firaxisと2KによるChristie氏の起用は、多くのファンから歓迎されました。前作『シヴィライゼーションVI』でナレーターを務めたSean Bean氏に続き、『ゲーム・オブ・スローンズ』とのつながりが受け継がれた点にも注目が集まりました。また、メディアや評論家からも、そのパフォーマンスは発売時における本作の音声面の大きな魅力の一つとして高く評価されました。
しかし、こうした著名キャストの起用には、高度な技術力に加え、出演者が自然にパフォーマンスを発揮できる収録環境が欠かせません。当社の音声チームは、『Cyberpunk 2077』でのKeanu Reeves氏とのプロジェクトをはじめ、多くの著名俳優との音声収録を手掛けてきた豊富な経験を持っています。
当社はChristie氏のパフォーマンスを形にし、その魅力を最大限に引き出すことで、『シヴィライゼーションVII』のストーリーテリングをより豊かなものにしました。また、その存在感あふれるナレーションは、シリーズが新たな創造の領域へ踏み出していく姿を印象づけるものとなりました。
「シヴィライゼーション」の未来を形づくる
『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』の開発において、Sideは物語体験と技術開発の両面からプロジェクトを支え、重要な役割を果たしました。
当社はシリーズ初の女性ナレーターであるGwendoline Christie氏による没入感あふれる音声収録から、複数プラットフォームに対応する高度なUIエンジニアリングの支援まで、幅広い領域で開発に貢献しました。こうした取り組みは「シヴィライゼーション」シリーズの新たな可能性を広げる一助となり、現在もライブアップデートを通じて継続的なサポートを提供できることを嬉しく思っています。
2KおよびFiraxis Gamesとの密接なコラボレーション、そしてプロジェクトに携わるすべてのチームによる品質へのこだわりが、『シヴィライゼーションVII』を単なるシリーズの続編ではなく、新たな進化を遂げた作品へと導きました。これから先も、多くのプレイヤーに楽しまれる作品となることでしょう。
『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VII』は現在、Windows、macOS、Linux、Nintendo Switch、Nintendo Switch 2、PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox One、Xbox Series X|S向けに発売中です。
本プロジェクトを支えてくださったKeaton VanAuken氏(シニアゲームプログラマー)をはじめ、Firaxis Gamesならびに2Kの関係者の皆さまに深く感謝いたします。
ゲーム音声から包括的な共同開発まで、Sideはあらゆるジャンル、あらゆる規模、あらゆるプラットフォームに対応し、次のプロジェクトをともに創り上げるパートナーとして皆さまを支援します。詳細についてはこちらまでお問い合わせください。