ゲームVOの秘密に迫る:成功に導く計画、予算、キャスティングのポイント

Published: 2025年11月5日

Author: Sini Downing – グローバルオーディオ制作、クリエイティブディレクター

ゲームVOの秘密に迫る:成功に導く計画、予算、キャスティングのポイント

Key Takeaways

  1. 1. 計画: プリプロダクション、収録に関する成果物、ポストプロダクション業務を含む詳細な制作スケジュールを作成することで、VOプロジェクトを計画通り予算内で進めることができます。
  2. 2. 予算編成: 必要な統計と要件を整理し、正確な見積もりを把握して、予期せぬコストの高騰を回避ししょう。
  3. 3. キャスティング: 適切な声を見つけることで、プレイヤーの没入体験はさらに深まります。キャラクターの明確な設定資料を作成し、キャスティングディレクターと連携して、スキル・多様性・表現力を兼ね備えた最適な人材を見極めましょう。

 

ゲームの魅力的なゲームボイスオーバー(VO)パフォーマンスを実現するには何が必要でしょうか?

多くの開発者にとって、そのプロセスは台本のない暗い録音ブースに足を踏み入れるような感覚かもしれません。

そこで私たちは、ゲームの音声制作やローカライゼーション、キャスティングに関わるすべての人が、VO制作の全工程を安心して進められるよう、実用的なガイドを作成しました。

このガイドは、『ウィッチャー』シリーズや『アサシン クリード シンジケート』、『ファイナルファンタジーXVI』などの受賞歴のあるタイトルに20年近く携わってきたSide グローバルオーディオ制作部門のクリエイティブディレクター、Sini Downingの豊富な経験に基づいています。長年にわたり、彼女はあらゆる規模の開発スタジオがキャスティング、ディレクション、収録、ポストプロダクションといった複雑な過程を乗り越え、ゲームに感動的なパフォーマンスを吹き込む手助けをしてきました。

まず、声優がブースに入る前にしっかりと準備を整え、適切な声優をキャスティングすることが成功の鍵となる理由を見ていきましょう。

予算とスケジュール

スタジオ収録か自宅収録か

自作のゲームのキャラクターに声をあてたいとしたら、まず、実現可能な計画を立てることが重要です。予測できることも予測できないことも含めて様々な要因を考慮して、VO制作に関するロードマップを作成しましょう。

最初に取り組むべきことは、ゲームに最適なVO収録の環境を決めることです。

パンデミックをきっかけに、ボイスオーバー制作の形は大きく変わりました。自宅収録は、今や多くの開発者にとって現実的な選択肢となり、最新のVO技術により、声優は個人的な環境で質の高い収録を行えるようになりました。ゲームオーディオの制作はより柔軟で手軽に、一見すると低コストで実現できるようになったのです。

しかし、「安い=良い」を意味するとは限りません。

Sideでは、数多くの自宅収録の環境を検証した結果、環境によって品質にばらつきがあることがわかりました。マイク品質が不安定だったり、インターネット接続が不安定だったり、防音対策が不十分だったりすると、収録セッションがスムーズに進まないことがあります。収録する声優の人数が増えるほど、使用する機材や環境も多様化し、それぞれ音質が異なる場合があり、音質のばらつきが生じることでポストプロダクションの時間とコストが増える可能性があります。

専用スタジオを利用すれば、安定した音質が得られます。音響処理が施された環境に加えて、微細な音の違和感を見逃さないスタッフが揃っているからです。音声制作会社なら、制作マネージャー、キャスティングコーディネーター、ポストプロダクションの専門家など、納品までを支える体制も整えっています。VO制作をスムーズに進める上で。このような専門家の力がどれほど重要かを軽視してはいけません。

一般的に、自宅収録はキャストが1〜2名の小規模プロジェクトには適しています。ただし、プロジェクトの規模が大きくなると制作の複雑さが一気に増加します。キャストメンバーが複数名いて、脚本が数百文字を超えるようであれば、専門スタジオに切り替えるタイミングといえるでしょう。

適切な見積もりを取り、予期せぬ出費を防ぐ

ボイスオーバーの予算を立てる際、完成した脚本がなくても構いません。ただし、必要な声の数、単語数、行数、パフォーマンスやタイミングの制約、ポストプロダクションの仕様など、具体的な情報がなければ正確な見積もりは出せません。

特に重要なのは収録スピード、つまり1時間あたり何語ぐらいを収録できるかという目安を把握することです。たとえば、主言語版ではタイミングの制約なしで自由に収録しますが、ローカライズ版では、元の言語のパフォーマンスに合わせることで比較的スムーズに収録が進むことが多いです。しかし、中国語から英語へのローカライズなど、言語構造が大きく異なる場合は、スタジオでの追加準備が必要になり、収録に時間がかかる傾向があります。このような場合、収録速度を自分で設定して制作会社に確認してもらうこともできますし、フェイシャルキャプチャなどの要件、脚本の複雑さに応じて制作会社からアドバイスを受けることも可能です。

見積もりについては、キャスティング費用、スタジオ時間、ディレクターの料金、声優の作業時間、ポストプロダクション、その他の追加料金を項目提示してもらうことがベストです。アセット準備、パフォーマンスディレクション、マスタリングなどの追加要素を忘れないようにしましょう。詳細な内訳があれば、ベンダー間の比較がしやすくなり、各サービスに含まれる内容を正確に把握できるようになります。自分の要件を明確に伝え、ベンダーにも同じレベルの明確さを求めることが重要です。

スケジュールと計画

ゲーム開発は順序立てられた計画に基づいて進行されますが、ボイスオーバー制作も例外ではありません。VOの各段階を理解し、全体のタイムラインを明確にしておくことで、予算を最大限に活用し、キャストから最高のパフォーマンスを引き出すことができます。

収録前に準備すべきもの:

収録中に必要な対応:

録音中に制作会社が提供するもの:

収録後に行う作業:

例えばSideのような経験豊富な制作会社では、制作の流れを視覚化できるタイムラインテプレートを用意しています。こうしたツールを活用することで、制作の初期段階から計画を立てやすくなり、不測の事態が起きにくくなります。

 

キャスティング

ゲームにぴったりな声優を見つける方法とは?

台本を送信してオーディションを始める前に、ますどこで収録するかを検討しましょう。時差や渡航費、声優が所属する組合の規定、スケジュールの空き状況など、さまざまな要因が最適な収録場所の選定に影響します。

サイバーパンク2077グローバルな収録体制

例えば、 『サイバーパンク2077』の膨大なストーリーを持つオープンワールドゲームでは、ロンドンとLAにあるSideのスタジオを活用して、VO制作を分担しました。そのため、より多くの声優にアクセスできるだけではなく、時差を活かして1日最大16時間の収録が可能になりました。

https://www.youtube.com/watch?v=X_Sh9X1iWtI

日々の台本更新やセッションの引き継ぎ、効率的なレビュー体制により、チームはロンドンとLA という2つの拠点で何千にもわたる台詞を収録しながら常に高品質なパフォーマンスを維持することができました。グローバルな連携もしっかりと管理すれば、拠点や作業量が増えても安定して進められることが証明されたのです。それ以来、Sideでは拠点を拡大し、世界中の3~5か所のスタジオで定期的にプロジェクトを運営しています!

誰をキャスティングするべきか?

良いキャスティングは、最初のオーディションよりもずっと前から始まっています。ますは、キャラクターの設定を明確にすることが重要です。最低限、性別年齢アクセント人種・民族などの情報を整理しましょう。その後はストーリーの力です。内容が具体的であるほど、候補者を絞り込みやすくなります。なぜなら、素晴らしいキャラクターに命を吹き込むのは、実在する人物なのですから!

実際に声優を探す段階では、経験豊富なキャスティングチームと協力することで結果が大きく変わります。彼らは俳優を知っているだけでなく、その役に最適な俳優を知っています。エージェントとのネットワークも強く、新しい才能にも常にアンテナを張っていて文化的背景や共有できる俳優を見極め、深みのある演技を引き出すことができます。

候補者を絞り込んだら、いよいよ配役の決定です。セルフテープやデモリールも参考になりますが、やはりライブでのディレクション付きオーディションが最も効果的です。スタジオでもリモートでも、ディレクション付きセッションは、役者がフィードバックにどう対応するか、役にどれだけ入り込めるかが見えてきます。最初の収録で、役者がディレクションに対応できないことやアクセントが維持できないと判明するような事態は避けたいですよね。

Quotes

「優れたキャスティングは、オーディションのずっと前から始まっています。まずは、キャラクターの設定を明確にすることが重要です。

スターを起用したい!有名タレントのキャスティング

「え、この声って…?」誰もが、そんな驚きの瞬間をゲームに入れたいと思っています。

しかし、有名俳優を起用することは、単に名前だけの問題ではありません。ゲームの世界観やキャラクター、予算に合った適任者を見つけることが何より大切です。スターの力を借りる前に、次のような視点で検討してみましょう。

有名な俳優には決まった料金表があるわけではなく、最近の出演作や今後の活動予定、エージェントとの関係、さらには個人的な事情など、さまざまな要因によって変化します。経験豊富なキャスティングディレクターや制作会社に相談すれば、希望する俳優と予算のバランスを見ながらオファーのアドバイスを行い、現実的な候補の提案や交渉までサポートしてくれます。

まとめ

ゲームのボイスオーバー制作は、声優がブースに入る前からすでに始まっています。成功の鍵は、正確な予算設計、収録環境の選定、綿密なスケジュール計画、そしてキャラクターに合ったぴったりの役者をキャスティングすることです。

こうした準備が、制作全体の土台となるのです。準備を省いてしまうと、スタジオの時間が無駄になったり、パフォーマンスが雑になったり、再収録で余計な費用がかかる可能性もあります。しかし、しっかりと準備を整えておけば、その後の作業はスムーズに進みます。

パート2 では、私たちは、ディレクション、制作管理、ポストプロダクションなど、計画をキャラクターに命を吹き込むパフォーマンスに変えるために必要なあらゆる要素をご紹介します。

VO制作の準備についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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