思いついたゲームのアイデアを実際に形にするには何が必要ですか?
762 InteractiveのMatt Raimondo氏の答えは、適切なパートナーを見つけることでした。
企業財務に10年間携わった後、Matt氏はずっとプレイしたいと夢見ていたゲームを作ろうと決意しました。しかし、そのビジョンを現実のものにするには、全く知らない業界を進んでいく必要がありました。そうして調べる中で、最終的にSideと出会いました。
Matt氏はサンパウロにあるSideのゲームデザイナーBreno Rodriguesと共に、最初のアイデアをプロフェッショナルなゲームデザインドキュメントにするのに5ヶ月を費やしました。その結果、開発チームが現実的にも製作可能な業界標準の設計図が完成しました。
私たちはMatt氏と話し合い、彼がこれまで歩んできた道のりを知り、ゲームを作るという夢を現実に変えるプロセスについて関係者の視点から話を聞きました。
少しだけご自身のことと、ゲームファンとしての経歴についてお聞かせください。子供の頃好きだったゲームは何ですか?
ゲームを始めたばかりの頃、2000年代初頭に父が『Quake』を家に持ってきた時のことです。大きな箱型のWindows PCを起動させたのを覚えています。ものすごく難しいゲームでしたが、私は夢中になりました。そこから私のゲームの旅が始まりました。
子供の頃を振り返ると、家庭用でもPC版でも、プレイしたゲームはほぼすべて大好きでした。中でも『Halo』や『Call of Duty 4 Modern Warfare』などのシューティングゲーム、『GTA IV』に夢中になりました。でも、私が胸を躍らせたのはそういったアクションゲームだけではありません。戦略ゲームやシミュレーションゲームも楽しみました。『Rome: Total War』や『Company of Heroes』、『Supreme Commander』などは、これまでで一番好きなタイトルです。
このように色々なものに興味を持てたおかげで、ゲーム業界における幅広い創造の可能性を真に理解することができました。

ゲーム開発に携わるようになったきっかけについて詳しく教えてください。その一歩を踏み出すきっかけになったのは何でしたか?
最初は娯楽として始めたゲームが、時間が経つにつれてそれ以上のものになっていきました。幼馴染の一人に、私と同じくらいゲームに熱中していた子がいました。新作が発売されるまでの日数を数えたり、学校から急いで家に帰りゲームに没頭していたあの頃を今でも鮮明に思い出せます。思えばあの頃、私たちは知らないうちにゲームデザイナーを演じていました。2人でゲームシステムについて議論したり、アイデアに修正を加えたり、どうやったらゲームがもっと良くなるのか考えたりしました。
しかし、大人になってからしばらくの間は、ゲームとは違う別の道を歩んでいました。そこで企業財務に長年携わったことで、戦略や規律、意思決定に関する強固な基盤を築くことができました。それがきっかけで、私の最初のビジネスであるゲームやゲーム機、周辺機器、電子機器の再販と卸売りを始めることになりました。ビジネスは上手くいき、次の事業に挑戦できるだけの財務基盤を得られました。
当初私は全国フランチャイズへの投資を検討していました。しかし、それに対してどこか違和感を感じていました。これは本当に私の胸を躍らせてくれるものなのか確信が持てませんでした。そんな一瞬のためらいがあったので、自分の趣味や心から好きなものについて考えることになりました。
そしてこんな考えが浮かんだのです。ゲームを作ったらどうだろうか? これ以外の選択肢があるだろうか? その時私が出した答えは... 「ない」でした。そのから私は全力でこのビジネスに取り組みました。
ゲーム業界についてはどのように調べましたか? また、Sideを見つけたきっかけは何ですか?
最初はブログを読んだり、Redditのスレッドを閲覧したり、ディスカッションフォーラムを見て回ったり、YouTubeの動画を大量に視聴したりして、できる限りのことを吸収しようとしました。そうして深く掘り下げていくうちに気が付いたんです。ゲーム開発はビジネスを行うのと非常に似ていることに。
ゲーム開発も多くの点で同じステップを踏んでいることに気づいたとき、色々なことが理解できるようになりました。つまり、設計図(この場合はゲームデザインドキュメント)を作成し、チームを編成して仕事を任せ、プロトタイプを作成してフィードバックを収集し、改良を続けるということです。こうした類似点を認識したことでプロセス全体の威圧感が軽減され、創造的カオスをより体系化されたものにすることができました。
また、ベテランプロデューサーであり、あらゆる面で素晴らしい人物のJared Yeager氏に幸運にも出会うこともできました。出会ったばかりの頃は彼を質問攻めにしてしまいましたが、それに対して彼は時間と洞察を惜しみなく提供してくれました。彼のように、点と点を結んでくれる人と出会えたことは非常に大きなことでした。
基礎を理解した後、私はゼロからチームを作るか、それとも共同開発チームと提携するのかを検討し始めました。
いくつかのプロバイダーに問い合わせましたが、最終的にSideを選びました。経験や組織構造、そしてグローバルな人材プールが際立っていたからです。そして、Sideチームと初めて電話で話をして、彼らが私のビジョンを実現する助けになってくれると確信しました。
あなたが考えていた本作の全体的なコンセプトについてお聞かせいただけますか? また、本作の核となるアイデアをどのように構築したのですか?
本作はクライムストラテジーおよびシミュレーションゲームであり、プレイヤーは台頭するKingpinとなり、犯罪がはびこる裏の世界で頂点を目指します。大物経営者スタイルの経営と、上から見下ろす「神の視点」を融合したもので、プレイヤーは道端での喧騒から都市全体の影響や権力闘争まで、あらゆるものをコントロールできます。
犯罪者の雇用や生産チェーンの管理、物流の確立から、製品の需要を満たし領土を巡り戦うなど、あらゆる要素が没入感満載のRPG風ストーリーに盛り込まれています。奥深い戦略的なゲームプレイと重要な選択、そしてそれがもたらす結果が上手く調和するように設計されています。
私の目標は、戦略ゲームやシミュレーションゲームのファンに新鮮で魅力的なものを提供することです。多くの経営シミュレーションゲームでは、特定のシステムを十分に深く掘り下げておらず、多くの可能性が眠ったままになっていると感じていました。
そこで私は、クライムマネジメントの戦略的な奥深さと没入型のストーリーを組み合わせたゲームをSideチームと共に構想しました。私たちは、プレイヤーに単に帝国を管理しているという感覚を味わってもらいたいわけではありません。骨太で進化し続ける物語の中で生きてほしいのです。

製作途中のUIの写真 – Project Kingpin
ゲームデザインドキュメントを作成する際に最も困難だったことは何ですか? また、その過程でどんな学びを得ましたか?
初めに得た学びの1つは、ゲームデザインドキュメント(GDD)が最初はいかにシンプルで、そしていかに複雑になる可能性があるかということです。
私はまず、アイデアを非常に大まかに書き出すことから始めました。例:「レーシングカーに関するゲームを作りたい」
次に、基本的な要素を足していきました。「プレイヤーが車をカスタマイズしたり、コースや対戦相手を選べたりするようにするべきだ」
主要な構成要素が配置されたら、次のステップはそのゲームのコアループを描くことです。
ここから本当の、そして楽しい仕事が始まります。ループの各部分を詳しく調べて、システムやメカニズム、機能を具体化していきます。
私が見つけた最高のリソースの1つは、『大乱闘スマッシュブラザーズ』や『星のカービィ』などのヒットゲームのディレクターである桜井政博氏のYouTubeチャンネルでした。彼は次のような言葉を何度も口にしています。「分解、考察、再構築」
分解:あなたが作ったゲームのどの部分が楽しいのでしょうか?
例:車をカスタマイズするのは楽しそうですね。
考察:なぜ楽しいのでしょうか? 例:デカール、ペイント、リム、タイヤを選択することで、プレイヤーは自由に創造性を発揮することができ、ゲームに熱中し続けられます。
再構築:何が楽しいかがわかったら、それをサポートするシステムを設計します。
例:プレイヤーがアンロックした車両やパーツ、デカールを表示したりカスタマイズしたりできるガレージ機能が必要です。
まずはシンプルに始めて、それを繰り返すことが重要だと学びました。一度それを感じ取りテストできるようになると、特にフィードバックが得られるようになってからはシステムを改良するのがとても簡単になります。分解プロセスを通じて、GDD V1からプロトタイプV1に移行し、そこから改良が止まることはありません。
GDDで共同で作業できる場合は、ぜひそうしてください! 最高のアイデアや画期的な進歩は、会話や質問をたくさんすることで生まれます。ですので、開発チームを早い段階で関わらせましょう。そうすることで、ゲームデザインのビジョンを、システムとその相互作用を詳細に記述した技術設計仕様書(TDD)に変換するのに役立ちます。強力なGDDと思慮深いTDDの両方を備えることで、問題の早期発見と解決を促し、プレイ可能なプロトタイプへの道のりがよりスムーズになります。
ゲームプレイのシステムに関する当初のビジョンは何でしたか? また、Sideのデザインチームと仕事を始めたとき、状況はどう変化しましたか?
最初のビジョンは、私がこれまでプレイしたゲームが基になっています。いくつかのタイトルにまたがって断片的に存在しながらも、1つの場所で完全に実現されたことのない、そんなゲームを作りたかったのです。
私は自分が何度も「自分のゲームはこんな感じにしたい」とか「あのゲームのシステム1、2、3は気に入ったけど、4、5、6は好きじゃない」などと言っていることに気づきました。そのプロセスは、私が構築したいものの概要を描き始めるのに役立ちました。
そこから、私はGDDの最初のバージョンを作成しました。まず初めにテーマやインスピレーション、そして一部機能のアイデアから始めました。しかし、Sideとの共同開発が始まった途端、それらのアイデアを具体的なゲームプレイループに変換できるようになりました。
Sideのデザインチームと協力したことで変化したものの中で、最も影響力が大きかったことの1つは、本作を核となる3つの柱を中心に構成したことです。その3つとは経済、外交、そして権力です。これらの柱にはそれぞれ独自の内部ループがあり、それらすべてがつながってゲームのより大きなループを形成します。この構造の明確さにより、すべてがどのように組み合わされるかが明確になり、システムのまとまりが分かりやすくなりました。Sideのフィードバックや構造、創造性は、思いついたままのアイデアを、より完全で没入感のある体験へと形作るのに大きな役割を果たしてくれました。
し私が学んだ最大の教訓の1つは競合分析の価値です。私たちは数週間かけて、同様のテーマを持つジャンル別のゲームのコアループ、システム、長所、短所を分析しました。そうしてゲームの長さ、価格、そして最も重要な点として、やり方を変えたり改善したりできるギャップを特定しました。
この学びと最初のGDDを組み合わせることで、明確に定義された柱と強力なゲームプレイループを備えた、はるかに完成度の高いV2が誕生しました。これが私たちのプロトタイプの基盤となり、最終的には開発開始からわずか5ヶ月でGDDのV3が完璧に改良されたものになりました!
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これまでのゲーム開発プロセスで最も驚いたことは何ですか?
一番驚いたのは、関連するさまざまな分野に対する理解が深まったことです。ゲーム開発には多くの要素が絡み合っていることは元から知っていましたが、実際に現場に立つまでそれを理解することはできませんでした。
開発者が重視するものはゲームデザイナーが優先するものとは異なり、音声制作やアーティスト、品質保証、プロデューサーにとって重要なものとも異なります。各チームはそれぞれ独自の役割を果たしながらも、それらすべてがつながっていて、はるかに大きなパズルのピースとして機能します。
あなたのゲームは特定のゲームジャンルのファン向けのものだと思いますか? また、あなたのゲームをプレイするプレイヤーに何を感じてもらいたいですか?
もちろんです。本作は戦略ゲーム、シミュレーションゲーム、経営シミュレーションゲーム(中でも犯罪をテーマにした物語)を愛するプレイヤー向けに作られています。自分の帝国を築き、周囲の世界に影響を与える重大な決断を下すことが好きなら、このゲームはあなたにぴったりです。
何もないところから始めて、少しずつ作業を構築していきます。しかし、表面的なレベルにとどまる従来の経営シミュレーションゲームとは異なり、私たちはシステムのさらに奥深くまで踏み込み、物語に重みを加えていきます。
プレイヤーの皆さんにはリアルな選択をし、ライバル関係を乗り越え、人々を管理し、領土を切り開きながら、何かを成長させているという実感、つまりエンパワーメントと緊張感が入り混じった感覚を感じてもらいたいと思っています。自分の帝国が拡大していくのを見るのはわくわくしますが、行動によっては大きなリスクと相応の結果を伴います。最終的には、プレイヤーにはKingpinの物語の中で生きていたのだと感じてもらいたいと思っています。

製作途中のステージの写真 – Project Kingpin
本プロジェクトの次のフェーズで楽しみにしていることは何ですか? また、今後のビジョンとこれからの展望について詳しくお聞かせいただけますか?
今はプロトタイプを完成させて、本作初の完全にプレイ可能なバージョンが完成することをなによりも楽しみにしています。チームはこのマイルストーンに到達するために信じられないほど懸命に取り組んできました。
また、同時期に私たちが目指してきたビジュアルスタイルを反映したアセットを組み込んだプロトタイプマップの新バージョンを開発する予定です。詳細はブログをご確認ください。また、新しくアップグレードされたUIアートも統合します。これは、全体的な体験を統合するのに非常に役立ちます。
年度末にはプロトタイプをプレイヤーに配布し、感想を聞く予定です。その瞬間を心待ちにしています。何よりも、当スタジオはプレイヤーと強固な関係を築きたいと考えています。私自身もゲーマーとして、中途半端な状態でのリリースや、スタジオが明らかにプレイヤーコミュニティの要望やニーズを無視している状況に遭遇したことがあります。それがどれほど嫌な事か、私は知っています。そして、私は決してそのような開発者にはなりたくありません。
人々が思い返したときに「あれは特別だった」と言えるような素晴らしい作品を創り出すことが私の目標です。

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